女性の閉経は平均50.5才と言われていますが、その前後5年を更年期といい、E2、Pが分泌されなくなることで発現する欠落症状です。
男性はホルモンの分泌はそれ程減少しませんが、女性は閉経以降ホルモン分泌が急激に減少します。そのために女性は発汗、不眠、いらいら、肩こり等の更年期症状が出てきます。それが日常生活に支障を来すようであれば骨そしょう症の予防を兼ねてホルモン補充療法を行います。ただ、タバコをお吸いになるかた、乳癌の既往のある方、高血圧の方等は治療できません。また、乳癌のリスクが多少高くなる、血栓症のリスク等の副作用もあります。それほど危険な治療ではありませんが年に一回は子宮頚癌検診、子宮体癌検診、乳癌検診、年に数回の卵巣癌検診、年に3回の血液検査をして下さい。
月経の血液には血液と脱落した子宮内膜が存在します。その子宮内膜が何らかの原因で子宮筋層、卵巣、腸管等に存在すると月経時にそこで出血を起こし子宮腺筋症、チョコレートのう腫、卵管や腹膜の癒着を引き起こします。月経痛には機能的なものと子宮内膜症によるものがあります。機能的な月経痛には鎮痛剤服用で良いと思いますが、問題は子宮内膜症です。軽度な状態から重度な内膜症がありますが、最近重度な内膜症が増加しています。月経の有る間、進行していきますが症状は月経痛、性交痛などです。ただ、放置しておくと癒着による不妊症になります。卵巣に子宮内膜症が発症するとチョコレート様の血液がたまってくるチョコレートのう腫になりますが、こののう腫は他ののう腫に比べて癌になるリスクが高いと言われていますので慎重な管理が必要です。
検査は癒着の有無、程度を調べるには最初は内診が非常に大切になります。内診で癒着の状況が分かります。子宮、卵巣チェックは経膣超音波でおこない、腫瘍マーカー検査をする場合もあります。治療にはホルモン療法、偽閉経療法、最終的には手術になります。
子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍で、女性の5人に2人は持っています。
筋腫のできる場所、大きさで症状が出てきます。
症状や患者の年齢、出産の可能性などによって治療法がかわってきます。自覚症状が少ない場合や閉経が近い場合は経過をみます。手術は筋腫のこぶだけを切除する場合と子宮全体を摘出する場合があります。